一時期、単科の精神病院は、精神病患者のみならず、知的障害者までを含む、障害者の老人ホームの役割を担ってきた。

しかし今、国はそれを禁じようとしている。
ある意味、国の言い分はあると思う。

例えば障害年金、又は国民年金だけが収入の、精神障害者がいたとする(A氏・75才としよう)。

A氏の親の家は、昔は辺ぴな場所だったのだが、今は住宅地のど真ん中になっていて、母親が高齢で亡くなった時に土地を売却し、その遺産分けで、A氏には1500万円の貯蓄があるのだが、利子の付かない預金(例えば当座預金)にしていたとする。

するとA氏は、住民税非課税世帯となり、1ケ月の入院費は(高額療養費制度 が使え)、3万5400円となる。
毎月の年金で入院費を払っても、十分にお釣りがくる。
そして、A氏が亡くなった時、兄弟または甥姪に、1500万の遺産が行く。

これでは、財産は無く、厚生年金16万だけが収入(これは単身者の厚生年金の全国平均である)、有料老人ホームに月13万円以上、支払っている人から、苦情が出ても当然であろう。

しかし、別の見方をすれば、精神障害を持っている場合、一般の老人ホームからは断られる。

認知症にはある程度、型というモノがある(らしい)
そして、それぞれの認知症に対する対処法ってのがある(らしい)
アルツハイマーならコレ、脳血管性なら~、レビー小体~、正常圧水頭症~、
そして、認知に問題のない身体障害、または、全体的な機能の低下、云々
(コレは、とあるヘルパーさんに教えてもらった、聞きかじりの知識であるので、突っ込まないコト!!)

ところが、精神障害者の取り扱いは、当然のことながらその病気ごとに別の要素が加わってくる。
ヘルパーさんでは無理である。

しかし、私たちだって、躁うつ病+認知症や、躁うつ病+身体障害になる可能性は充分に考えられる。

我々のための老人ホームは、いったい何処にあるのだろう・・・    H26・9月記