アルコール依存症というと、みんなの頭にまず浮かぶのは、酒臭い息を吐きながら、ヘベレケになっている人の姿であろう。

そううつ病の、気分の悪さを紛らわせるため、ついお酒に手をつけてしまう。
それが度重なると、アルコールが止まらなくなる。

だが、もうひとつのアルコール依存者の姿を知ってほしい。

アルコール依存症とは、一旦、お酒を飲みだすと、止まらない人のことを言う。 しかし、その最初の一口さえ飲まなければ、普通の人である。

アルコール専門病棟(もちろん精神科である)というのが、あちこちにある。
どういう薬の内容なのかは知らないが、自分でいくら止めようと努力しても止められなかったお酒を、数日の点滴で見事に、かつ楽にアルコールを抜いてくれる。

それからは教育入院である。
b 断酒会、またはAA(アルコホーリクス・アノミマス)に通うように言われる。

三毛はアルコール依存症者である。

三毛は退院してから数ケ月もしないのに、とある公民館で行われていた会場の責任者にさせられてしまい(他にヒマな人間がいなかったせいである)、
3年余り、無遅刻・無欠勤だけが取り柄の責任者となった。

その公民館は駅に近く、また、金曜日の夜という働いている人にも行きやすい時間だったので、常に30~40人が集まる。
三毛がそこへ通っている間に、何人の若者が、亡くなってしまっただろうか。

お酒を飲み続けている間は、胃が荒れていて、ある量以上のアルコールを飲んでも、吐いてしまう。
ところが、しばらく飲んでいない胃袋はどんどんアルコールを吸収し、急性アルコール中毒で亡くなるのである 。

何年、飲むのを止めれば、アルコールの誘惑から離れられるかは、人によって違う。

三毛は、AAで沢山の若者の〇んでいくのをみて、
そううつ病の悪化で責任者が出来なくなった時、つまりアルコール病棟を退院してから5年目には、ウーロン茶片手に、お酒の席にも、出られるようになっていた。

そううつ病のうさ晴らしに、アルコールを飲むのは危険ではあるが、珍しい合併症ではない。
アルコール専門病棟というのが各地に存在しているのを、心の隅に置いておいてほしい。